「あ…」 「どうしたの?亜矢乃ちゃん」 帰る支度をしようとランドセルを取った亜矢乃は小さな声を出した。 それに気付いた公美は、亜矢乃の顔を覗き込んだ。 「これ…」 「……っ!!なにこれ!!」 公美が亜矢乃の指さしたランドセルを見ると、真っ赤なランドセルに爪の痕がたくさん無数に付いていたのだ。