お前のすべてを愛してやる【完】

「どこがだよ。誰に言われた?」



「……っ」



〝誰に言われた?〟



この一言で昔のことが一気に甦る。



〝キモイ〟〝死ね〟



もう名前も顔も思い出せないけど言葉たちは全て残っている。



無視され続けていた二年間。



親にも言えなかった学校生活。



仲の良い友達にさえ言えなかった。



それを今日会ったばかりの人に言えるはずがない。



「ん?どした、亜矢乃」



こんな時にだけズルイ。



ずっと〝あんた〟だったくせに急に〝亜矢乃〟なんて…。