すると野宮は急に真面目な顔付きに変わった。
「そうですねぇ、一応10歳前後には治るものとは言われていますが、絶対それまでに治りますとは言えないんですよ…」
「そうですか…」
美和の頭の中で、こんな症状が何年も続くのか…と、隣で無邪気に笑っている亜矢乃を見て胸が苦しくなった。
「亜矢乃ちゃん、すごく痒いかもしれないけど、先生と一緒に頑張ろうね?」
美和の不安気な様子が顔に出ていたのか野宮は亜矢乃に、そう話し掛けた。
「うん!亜矢乃、がんばる!!」
そう笑顔で答えた亜矢乃だったがツライのは、これからだった。

