きっとどこかで期待してたんだ。
 千春が俺のことを好きになって

 告白されるんじゃないかって。


 だけど
 千春からその言葉を

 また、聞かされるのか?
 
 また、「他に好きな人がいる。」


 そう言われるかもしれないと思って
 俺は怖くなったんだ。


 ああ、また俺はフラられるのかって。


 だから
 俺は....。


「天野なんかに千春は渡さない。
 私は正々堂々とした奴しか認めない
 から」


 そう言って部室から立ち去る梓。
 男の俺よりか男前でいっそ清清しい。



「....認めない、か...」



 
 部室に一人



 梓が出て行ったドアを見つめていた。