「ねえ、本当に大丈夫?いつものように
 さらっと解決してこないの??」



「あー...大丈夫大丈夫。なんとかなる
 から」



 そう。なんとかなる。
 いつもフェロモン漂わせている俺に
 できないことはない。


 とか思っちゃったり。



 
「ただ...」



「?ただ??」



「..いや、なんでもない。気にしないで?」



 大地に微笑んだ。
 
 だけど内面は笑えてない。

 ずっと千春のことが頭に引っ掛かってて
 
 イライラする。



 ムカムカする。




『ゆう君っ!!見てみてっっ!!海っ、海!! 
 綺麗だね~!!』



 はじめに海につれてきたのは、

 君が俺をここに連れてきたから。

 

『私ね?...好きな人がいるの』



 昔の君の記憶。

 告白できなかった未熟な俺の記憶。

 振られて、どうしようもない思いを

 さんざん涙に込めて、泣いた。


 あの日、同じこの夜の海。