ネットに繋いで俺のパソコンからソフトの一つをダウンロードする。



「……今ダウンロードしてんのは、多分咲絢には使えないソフトだけど、保身のためにパソコンに入れとく」

「うん?使えないソフトって、何?」

「GPS から位置情報を検索できるソフト。嫌がらせや何かあった時のために一応いれておく。それから……」



今度は契約したばかりの真新しい携帯のスマホに、俺が作った携帯サイトを登録した。



「さっき、咲絢と俺しか知らない携帯のサイトを急いで作ってきた。検索避けをかけてるからサーチエンジンには引っ掛からない。アカウントを紙に書いとくから忘れんなよ」


咲絢に紙とペンを出させ、そこにサイトのアカウントを書いてやった。



「これで、どうするの?」


まだ咲絢は不安そうだが、昼間より目が輝いてきた。


そうだろ。


お前はその目でモデルになりたいって俺に食ってかかってきたんじゃねーか。


だったらこんなとこで負けてんじゃねぇよ。



「俺と咲絢しか知らない、秘密の部屋」

「秘密の部屋?誰にもみつからないの?」

「そ。もし学校で何かあったらこのブログに書き込め。アルバム機能があるから、酷いイジメの場合、できるだけ隠れてでも写真を撮ってここにあげろ。そうすればGPS で場所を特定できる」

「……ごめん、よく分からない……」