「……恭哉くん、着替えた……」

「お、じゃあ行くか」


恭哉くんがあたしの手を引いて階段を降りた。


あたしの手、青白くて気味が悪い。



「乗って」


恭哉くんの家のガレージに、真新しい軽自動車が停まっている。



「……恭哉くん、車運転できるの?」

「高卒で取りましたー。つっても自分の車を買ったのはこないだだけど」


促されるまま、いつもの癖で後部座席に座ろうとしたら、強引に助手席に座らされた。


「咲絢はここ。ここは咲絢の」

「っ……」






嬉しいよ。期待しちゃうよ。


あたしにも、居場所があるんだって。


安らげる場所があるんだって。





「車買った時から思ってたんだよな。咲絢が隣にいてくれればいいのに、って」

「恭哉くん……」






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