気がついたら、あたしは自分の部屋のベッドの上に眠っていた。




重たい頭を動かして横を見ると、恭哉くんがあたしの通学用バッグを開けて……。



「見ちゃ駄目 !!」



慌てて恭哉くんの手からボロボロの教科書やノートを取り返した。


だけど見られたのは間違いない。


………こんなの……。



「……咲絢、最近ちゃんと寝てんのか?」

「………」


顔を上げることができない。


恭哉くんに知られた恥ずかしさと悔しさ。



「仕度して。出かけるから」

「えっ……。どこ、に?」

「病院。『如月咲絢』って分かんないような格好しろよ」


恭哉くんはあたしの頭をぽんぽんと叩いて部屋を出た。



上手く働かない体をようやく動かして、あたしは地味な服装に着替えた。


恭哉くんはアレを見て、どう思ったんだろう?

こんなあたしを見て、汚いとか思ったのかな…?




時計を見ると、まだお昼前。


お母さんは童話雑誌の担当さんと打ち合わせだって言ってたから、多分夕方ぐらいじゃないと帰って来ないんだろう。