でも昂くんが『好きだ』と言ってくれるなら、今のあたしなら迷わず誰よりも昂くんを選ぶ。




だけど昂くんは、ふいっとあたしから顔を背けて歩きだした。



「……咲絢が欲しいの、またぬいぐるみ?」



昂くんのばか。


なんで言ってくれないのよ。


やっぱりあたしは昂くんにとっても『妹』でしかないの?




「店に着いたけど。どれ買うか決めてんの?」

「あそこに飾ってあるやつ」

「は !? あの一番でかいやつ !?」

「昂くん、何でも買ってくれるって言った」


言ったけどさぁ、とかぶつぶつ言いながらも昂くんは店員さんを呼んでくれた。

1メートルぐらいありそうな、おっきなクマのぬいぐるみ。



昂くんはわざわざプレゼント用の大きなリボンをつけてくれた。



昂くんが『好きだ』って言ってくれないなら、今日はどこまでも困らせてやるんだから。色んな物買わせるもんね。


……最後まで『妹』でもいいから側にいさせてよ。