桜色ノ恋謌

翌週には本当に恭哉の《株式会社SIGMA》からの正式なオファーが入って、更にその次の週には撮影に入る事になった。




携帯のゲームアプリのCMだからか、私が演じるのは、薄くてヒラヒラしたドレスを着た女神様だそうで。




それに編集してCGの背景をつけて異世界風に仕上げるらしい。




こういうコスチューム物の撮影は《ぷれしゃすっ!》以来かな。





撮影の現場には、恭哉も何故か入ってチェックしてきた。



あのホテルで逢ってからは、また逢えない日々が続いていたから嬉しくて、何度もお互いにアイコンタクトを取り合って。


私の仕事場に恭哉がいる。


そこに恭哉がいて、私を見ている。


私が手を伸ばせば、すぐそこに恭哉がいる。


……なんか、不思議。