「ふふふ!咲絢はスタイルではあたしに負けてるけど、顔は抜群にいいでしょ?だからこのティーンズ雑誌の読モのオーディションに応募しちゃってたのよね。まぁスタイルではあたしに負けるけどね!」


絵夢、スタイルのこと二回言った。

そんなにスタイルに自信があるのか。



………じゃなくて!



「なんで !? あたしそんなの興味ないしオーディション受けるなんて言ってない!」

当然あたしは絵夢に怒鳴った。


「でも最終審査は通過してるけんだど。リタイアする?」


な…なんですと !?


読モオーディションの最終審査に通った…だとぅ?


「……チャンスじゃね?」

「でしょ、茉莉!さーやが全国的に有名なモデルになるかもなんだよ?応援したくなるでしょ !?」


えぇぇ、ちょっと待ってよ!

あたし何も特技ない!何も習い事とかしてないよ!


「確かに咲絢が有名になるのは友人として嬉しい。けどこのこなんも得意技ないよ?」


うんうん、そうそう。


こくこくと頷くあたしに向かって絵夢は悪魔のスマイルを見せた。つまり黒い笑顔でこんなことを言いやがった。



「……あんたさ、失恋したばっかなんだよね?だったら最終審査でそのエピソードを話して失恋ソングを歌え」



鬼だよ!!



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