「咲絢が欲しい。体だけじゃなく、心も。俺のものだって回りに知らしめたい。……束縛、したいんだよ」



重いだろ?って恭哉は笑うけど、私は笑うどころじゃない。


「えと、ちょっと待ってよ。まだ早いよ。……と言うより……急な話過ぎて、実感が……」


そりゃそうだよ。


久しぶりに逢って、ようやくお互いの気持ちを確かめ合えただけでも精一杯なのに、いきなりプロポーズって……。



「分かった。だけど聞かせろよ。俺にプロポーズされて、嬉しいか、嬉しくないか」


そんな質問を投げかけながらも、恭哉は私の左手の薬指に指輪をもう嵌めていて。



えっ?えっ?これって拒否権なしなの?



「……プロポーズ自体は、すごく嬉しい。けど、仕事とかあるし事務所が……」

「事務所の社長も大いに乗り気だ。咲絢には株式会社SIGMAの専属CMタレントとしても契約したからな」

「社長までそんな事言ってんの!?」


そこまで話が進んでるなんて思ってもいなかった。



「まだ咲絢が卒業するまではあと1年以上あるからな。答えはゆっくり考えてだしていいから」

「……うん……」

「だけど、その指輪は絶対に外すなよ」


結局強制してるじゃない!!