桜色ノ恋謌

「じゃあ次はショップの紹介ね。午後までに4軒は店回るから急がないと」

「はーい!」


移動のために靴をいったん履き替えると、アユと一緒に手を繋いで最初のショップに向かってダッシュした。


スタッフのみんなはおいてけぼり。


だけど一緒にテーマパークを満喫するあたしたちの後ろ姿は、しっかりカメラに収められていたらしい。


パークおすすめのグッズやフードを前に何枚も写真を撮ったあとは、待ちに待ったアトラクションへ挑戦だ。


あたしがさっきのショップで買ったおっきなリボン付きのシュシュで髪を巻き直すと、アユも同じ店で買った猫耳カチューシャで髪を止め直した。


アトラクションの前でも何枚か撮って、スタッフに促されて前に進むとアユのマネージャーさんが中で待っていた。


アユのマネージャーさんは30代ぐらいのバリバリのキャリアウーマンっぽい人だ。


「順番は押さえておいたからね。次の車に乗って。カメラは常に意識してよ」


さっすがー!


こういう時でもプロ意識を持ってるアユのマネージャーさんは大人だなぁ。


それに比べて鳥羽さんは見当たらないけど、どこ行っちゃったんだろ?


まぁいいか、と首を振ってアトラクションに乗り込んだ。