桜色ノ恋謌

「《Too 》のアイボリーカラーの新作ドレスにしようかと思ってる。公佳ちゃんは?」

「まだ買ってないの。色々斡旋はされるんだけど、海外ブランドのが欲しいのよねぇ。一緒に買わない?」

「あ…、パーティ用のも一枚欲しいから、買っちゃおかな」



お偉いさん達が来るパーティなら、国内ブランドより海外ブランドの方がいいかも。



「……パーティって。なんの?」



興味深げに月島くんが食いついてきた。



「うちの事務所の。どこの事務所でも新人さん達のために開いてるでしょ?それに出なさい…だって」



私は肩を竦めて、残りのジュースをずびずびと飲みきった。


「はー?お前がんーなパーティに出る意味ねーじゃん。下手すりゃ妬まれんじゃね?」

「メリットはあるかも知れないけど、間違いなく新人や売れてないタレントからの恨みは買うわね」



月島くんも公佳ちゃんも、遠慮なく言うなぁ!



「仕方ないの。恭哉の希望だからって」


二人を信用できると思ったから、私は恭哉との関係や今までのこと、そして昨日高橋さんに言われたことも全部話して聞かせた。



なんで全部を話したのかは自分でもよく分からない。


だけど、いつまでもモヤモヤしているのが嫌で、誰かの意見を聞きたかった。