今日は秋の学校行事に合わせた小物類の紹介ページの特集撮りだ。

体育祭に使いたいヘアアクセや文化祭でやってみたい制服アレンジとか。


「今日の仕事も上手くいったら、すげぇご褒美をやるかんな。つってもそれも仕事がらみだけど」



鳥羽さんがいつものココアを渡しながら、口許をニヤリと上げた。


すごいご褒美?なんだろ?



気になったけど、仕事に入る頃にはすっかりその事は忘れていた。





撮影も無事に終わり、帰宅中の車の中で鳥羽さんが珍しくあたしの今日の仕事を誉めてくれて。


「やっぱ背伸びしないでフツーに制服着てる時が一番いい笑顔してるよな、咲絢は」

「……それ誉めてるか誉めてないか分かんないよ」

「他のモデルとも盛り上がってたじゃん?何の話ししてたの?」

「んー。学校の事とか、好きなアーティストの話とか」


学校では今までのように友達と遊べなくなったあたしは、できるだけ他のモデルさんとは仲良くするようにしていた。


だから今はメル友のモデル仲間が結構いる。