そして一時間目から、日頃滅多に使われていない2年生の空き教室で時間を怠惰に潰す私。 【孤城落日】の撮影に費やした半年があまりにもハードだったから、久しぶりにこういう時間があっても良いと思う。 それもあるけど、やっぱり気にして最後に考えちゃうのは、昨夜の恭哉のこと。 どうあがいても、疑問と疑惑だけが胸に広がっていく。 それを戒めるように、昂くんが疚しいことをしてなかった事実を思い出しては疑惑を打ち消し……。 今だ悶々として教室の窓の下に踞っていたら、ガラリと教室のドアが開かれた。