その2日後。



機材の調整中にトラブルが起きて、最後の撮影を1日伸ばされた私だったけど、ようやくクランクアップを迎える事ができた。



「はい和宮、クランクアップですお疲れ様でしたぁーっ!!」というスタッフの掛け声と共に、現場の中は拍手に包まれていく。



拍手が鳴り響く中、特大の花束を公佳ちゃんが持ってきて私に渡してくれた。


「おめでとう。お疲れ様」


それはたった一言なのに、とても嬉しくて。


いろんなことを学べたこの現場とはお別れなんだ…と思うと、卒業式の時みたいな寂しさがどっと押し寄せてきた。



公佳ちゃんも、上手くいけば明日でアップのはず。


できれば同じ日にアップしたかったな。


「咲絢、先に学校に行ってて。今度は学校で一緒にご飯食べよう?」

「うん、待ってる。公佳ちゃんも残りの撮影、頑張ってね」


私と公佳ちゃんは、抱き合ってぐずぐずと泣いて別れを惜しんだ。