震える手でバッグの中から携帯を探しあて、履歴の一番上の番号へと電話をかけた。



弱いんだ、私は。


こうしないと、ぐらつく気持ちにケジメをつけられない………。




『……咲絢 !? お前どうした？こんな夜更けに』

「きょう…や。恭哉。今すぐ…今すぐ来てよ……！」


我が儘言ってごめんね。


でも恭哉がいないと……私はどうすることもできないんだよ……。


『咲絢、何かあったのか？』

「……助けて……お願い……」


後は嗚咽で言葉にならなくて。


『今日は家にいるから、20分ぐらいで行く。咲絢、大丈夫か？』


恭哉が来てくれないと、大丈夫じゃないよ。


お願い。一刻も早く私をこの迷路から連れ出して……？



恭哉はいつも私を助けてくれたでしょ？


迷子なの。私の気持ちが乱れて分からないの。