桜色ノ恋謌

一人でマンションに戻っても、今日はバイトだから恭哉は来ない。


……寂しいな。


さっき昂くんの声を聞いたせいか、やけに人肌が恋しいような。



………やだ、私人肌がってやらしいこと考えてない !?




違う。



私は恭哉の後ろに逃げ込みたいんだ。




昂くんが陽菜乃ちゃんとは何も関係がなかったら、昂くんを裏切ったのは私だということになる。





――そのやましさから、私は逃げたいだけなんだ………。








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