「だから何?俺に色気がないってか?お前はそんな御大層な恋愛してるっつの?」

「経験値はともかく、そういう話じゃないの?監督が言いたいのは」

「は!ろくに経験もねぇくせに偉そうに。なんならヤってみっか?ヤったらどっちがすげーか教えてやんよ」



……この猿どうにかして。



「あたしは好きな人としかそういう事はしない。もしそれで業界干されるんなら、それでも構わない」

「……つまんねーだろ、お前。一人に縛られるとか、ありえねーよ」


月島くんはそれだけ吐き捨てると現場に戻って行った。


分かってくれたかな?


月島くんに言うだけじゃ駄目だよね。



あたしもちゃんとやんないと。



「頭冷やしたか?」


来てみると監督も戻っていて、さっきのシーンは最初から撮り直すことになった。



無言の合図を待って…5………4……3…2、スタート。