マネージャーさんが追い出そうとするのも構わず、あたしは月島くんを外に連れ出す。



かなり苛立っているのか、月島くんはしきりに爪を噛んだり体を揺すったりして落ち着かない様子。



「っああ !? 分かんねぇんだよ !!」


月島くんがいきなりキレた。


「あの…さ。あたし、気づいたことがあるんだけど……」

「ああ !?」



人の話を聞けよ。



「月島くんの[目]がね、[恋する男の人]の目じゃないから、じゃないのかな?」

「んーだよそれ」

「人を好きになったらさ、男の人も相手の女の子のこと、大事そうな愛しそうな瞳で見るんだけど、月島くんにはそれがないから……じゃないのかな?」




去年のドラマで感じた違和感。


まるで〔演技はこれでいいの?〕とでもカメラに語りかけてるような月島くんの演技には、〔男の色気〕が感じられないんだ。



あたしは恭哉や昂くんがあたしを見る表情しか知らないけど、〔愛しげな〕目で見つめられると、やっぱりドキドキするもんね。



月島くんにはそれが無いんだ。



その事をしどろもどろになりながら説明すると、最初はハナから馬鹿にしていた月島くんの態度が変わってきた。