桜色ノ恋謌

それなのに、なんで壊れ物を扱うかのように優しいの……?


もっと先へと進んで欲しいと思うなんて、どうかしちゃったのかな、あたしの体。



「やだ…。やっぱり、恥ずかし……い」


あたしは段々息が荒くなって―――。




ドンドンッと荒々しく叩かれた恭哉くんの部屋のドア。



「きょーやー?さあやちゃーん?ケーキ食べましょー!」



そしておばさんに邪魔をされた。



「恭哉、くん……」

「あー!もう煩ぇ!」


恭哉くんがドアから顔を出して何やら怒鳴ってる。


「……恭哉くん……」


あの、あたしどうすれば?


「……俺らが行かなかったらここで飲んだくれるつもりらしい。あの4人。マジ最悪」




不機嫌になった恭哉くんの胸に飛び込んで、ぐりぐりと頭を押し付けた。


「……それから、今度から『くん』付け禁止な。名前で呼べよ」

「いきなり言われたって」

「言わなかったらペナルティでお仕置き。それはそれで楽しいけど」


なんか嫌な予感しかしない!


「……恭、哉…?」


これでいいの?




「……やっぱ我慢したくねーな。今すぐしたい。咲絢を俺のモノに」

「……いつでも、いいよ……」


恭哉、なら。



気持ちが変わらないって、信用しても、いいよね?