《啄木鳥の森》の撮影が始まると、あたしの頭の中の大半を占めていた、恭哉くんや昂くんに対しての気持ちはひとまず封印することにした。




そうしなければ緊張感をもって本番に挑めないから。



このドラマの監督は、今までに一緒に仕事をしたどの監督よりも厳しかった。


さすがにヒューマンドラマを創るのが得意なだけは、ある。


一回でOKを貰うことなんてほとんどない。



何度も根を上げそうになった。


だけど『これが正念場。頑張って!』って高橋さんに言われると、満身創痍でもなぜかやる気が出てくる。


毎日が体当たりの厳しい現場だけど、明日も頑張ろう。