夕食をみんなで済ませ、大浴場で久しぶりにお母さんと一緒にお風呂に入った。



お母さんは仕事や生活の事を色々聞いてきた。

あたしもお母さんに、仕事の事を話してあげたし。



「……今度はいつ来れるかな……」


上がり際、お母さんが寂しそうに呟いた。



「1年に1回は行こうよ、家族旅行に。あたしも家族でゆっくり過ごしたいもん」

「そうね。咲絢の休みが分かってれば行けるんだけどねー」

「なにそれ。だって不定休のコンビニみたいなもんだもん。しょうがないじゃん」



年中無休、24時間営業のコンビニ。



うわ、なんか悲しくなってきた。



お風呂から上がり部屋に戻ったら、大人達がお酒を持ち込んで再び宴会を始めてしまった。


どうやら今日は、梶さんの部屋で無礼講らしい。



お父さんは恭哉くんにも「飲め飲め」って勧めたけれど、恭哉くんはさらっと逃げていた。


和生は彼女と二人でどこかに行ってしまったし。


お酒が飲めないあたしが自分達の部屋に帰ろうとした時。



「咲絢。海辺に行かね?打ち上げ花火持ってきた。和生達と一緒にやろうと思ってたけど、あいつらいないし」