毒舌に惑わされて

大倉くんは後部座席に置いてあったラケットの入ったカバンを持つ。


「莉乃ちゃん、こっち」


手を繋がれて歩く。

もう手を繋いだくらいでドキドキはしないけど、大倉くんの手はすごく大きくて、温かかった。


久しぶりのバドミントンは辛かった。大倉くんが飛ばす羽根に予想通り振り回され、あっちへとこっちへと走った。


「ハア、ハア…。こんなに動いた…の、久しぶり…だよ…」


「本当に運動不足だね。はい、ここに座って待っていてね」


ベンチに座って、渡されたタオルで汗を拭く。もう絶対にメイクは崩れている。念入りにメイクしたはずなのに。


「はい、お待たせ」


「あ、ありがとう」


大倉くんが買ってきてくれたスポーツドリンクを飲む。気遣いがあり、頼りになる。こういうところが何となく教師らしいと思う。