毒舌に惑わされて

最後にデザート盛り合わせが運ばれてきた。プチチョコケーキにプチタルト、オレンジ、キウイが色鮮やかに盛られている。


「わあ、すごいきれいで美味しそう!」


どこから食べていいか悩む。


「お口に合いましたでしょうか?」


振り向くとシェフらしい人が近付いてくる。


「はい。とっても美味しかったです!」


「それは良かった。はじめまして、シェフの大倉です」


ん? シェフの大倉? もしかして?

私はシェフと大倉くんを見比べた。目元が似てる。


「親父、わざわざ出て来なくていいのに」


「つい、どんな子と来ているのか気になってしまってね」


どうやらこのシェフは大倉くんのお父さんらしい。私は立ち上がって挨拶をした。


「はじめまして、安藤と申します。どのお料理も美味しかったです」


「莉乃ちゃん、ごめんね。話してなくて」


「ううん。何も考えないで本当に美味しく味わえて良かった」


「安藤さん、またぜひ来てね」