毒舌に惑わされて

*****

窓の施錠を確認して、玄関も施錠して、家を出る。

大倉くんとの待ち合わせ時間まであと15分。私の家の最寄り駅まで来てくれることになっている。

出たところでスマホが鳴った。


「はい?」


『莉乃?もう出たの?今日、デートなんだって?』


葉月からだ。伝えてないのに、知っているのはマスターが教えたからだろう。


「うん、そうよ。今、待ち合わせ場所に向かっているとこだけど、何か用?」


『デート、何時までの予定?』


「特に決まってないけど」


『じゃあ、6時までに家に帰って』


「何でよ?」


『一緒にうちで夜ご飯食べよ? 6時に迎えに行かせるから。よろしくね』


返事を聞くことなく電話は切れた。相変わらず一方的なところは、昔から変わらない。



「莉乃ちゃん、おはよう!」


「おはよう。わざわざこっちまで来てくれてありがとう」


「行こう!」


大倉くんに手を握られて、繋いだままで歩く。