毒舌に惑わされて

「聖也は、私のことをどう思っているの?」


肝心な気持ちを聞いていないことに気付いて、疑問を投げかける。


「はあー。本当にバカで鈍感だよな?」


「だって!ちゃんと言ってくれなくちゃ分からないもの」


鈍感と言われても、バカと言われてもいい。聖也の気持ちを教えてくれるなら何を言われてもいい。

私は腕を緩めて、くっ付いていた体をほんの少しだけ離して聖也の顔を見た。

聖也の顔をしっかり見て、伝えられる気持ちをしっかり受け止めたい。


「そう簡単に教えてやるわけないし」


やっぱり意地悪だ。でも、諦めない。


「言ってくれないなら、今すぐ帰ってよ」


私だって負けない。


「莉乃にしては生意気なこと言うじゃん」


「生意気なのは聖也じゃない? 年下のくせにいつも生意気じゃない?」


「年下とか関係ないだろ? 自分が年上なのがそんなにも偉いのか?」


「そういうわけじゃないけど」