毒舌に惑わされて

「寂しいというか、莉乃が欲しい」


「それは今だけ?ずっと?」


今だけなのか、ずっとなのかで、状況は変わってくる。私は体を強張らせて、返事を待った。


「どっちも」


「えっ?」


「今ももちろん欲しいし、これからもずっと欲しい』


聖也の欲張りな選択に私の心は大きく揺れる。


「これからもずっと?」


「莉乃はバカだから、1人にしておけない。1人でバーに行くなんて大バカだろ?」


大バカとまで言われてしまった。そんなことを言う聖也は私を優しく抱き締めて離そうとしない。

頭上から何度もバカという言葉が降ってくる。


「大バカだなんて、酷いよ…」


「でもさ、バカなのにかわいいんだよな。年上なのにさ、かわいくては目が離せなくなってる」


「か、かわいい? 誰が?」


バカの次に降ってきたかわいいという言葉に私は異常なくらい大きく反応する。


「お前はどこまでもバカ? 今、ここにいるのは俺と莉乃だけだろ? 普通に考えたら、すぐに分かることじゃん。まあ、考えるまでもないと思うけど」


またバカが降ってきた。