毒舌に惑わされて

「そう、莉乃ちゃん、分かってあげて。聖也は不器用なんだよ。感情を上手く表せないというか…だから、強引で我が儘に見られたりするんだよね」

なるほど、不器用。

うん、そういうふうに見たら、聖也の行動の意味が分かってくるのかもしれない。


「大輔さん。勝手に俺のことを言わないでくれる?聞いていて、どう反応したらいいか困る」


聖也は、照れているのか少し緩んだ顔を引き締めるかのようにグラスに残っているカクテルを一気に空にした。


「聖也が不器用ねー。まあ、不器用と言えば不器用なのかもしれないな」


大倉くんも聖也の不器用なところを認めるような発言をする。私は再び、大倉くんの隙間から聖也を見た。

こっそり見たのに、聖也もこっちを見ていて、目が合う。射抜くような視線に私は動けなくなった。


「聖也はもう少し柔らかくなればいいんだよなー。強気で進んで行くのは男らしいけど、特に女には優しさも見せないとね」


「うん、俺もそう思うよ。葉月なんか昔は天真爛漫な子で優しさを全身で表現しているような子だったのに、いつから変わったのかしらって、心配しているし」