毒舌に惑わされて

スタスタとファミレスに向かって歩く聖也の後を追いかけて、座っていた席に戻る。


「それ何? うまい?」


向かいに座った聖也は食べかけのハンバーグセットを指差す。


「和風ハンバーグ。おいしいよ」


「じゃあ、それ頼んで」


そう言うとカバンの中からノートパソコンを取り出して、テーブルに置く。


「ねえ?」


「何?」


聖也はパソコンから目を離さずに答える。


「もしかして、仕事途中で帰ってきたの?」


私が行くと言ったからかな? 悪いことしてしまったかも。


「ん、会社でやる気にならなかったから。残業するのもバカらしいし」


仕事が嫌というのではなくて、会社にいるのが嫌ということ?

「会社嫌いなの?」


「お前、いちいちうるさい。いいから黙って食ってろ」


怒られてしまった私は残り半分ほどあるハンバーグを黙々と食べる。

しばらくすると聖也の分も運ばれてきたが、聖也も黙々と食べる。何だか空気が重い。