毒舌に惑わされて

聞いてやるとか、やっぱり偉そうだ。でも、話すことでスッキリするかもしれない。


「あのね…」


聖也がちゃんと話を聞く体制になった。珍しく優しい目をしている。聖也が座っているベージュ色のソファーに私も座った。

私が座ると同時に聖也がこっちを向いて、肩を抱く。


「簡単に言えば、振られたってことかな。あたしが付き合ってと言ったんじゃないけど」


聖也が昨日見た女性は野村くんの高校時代の友だちだった。先週、同窓会があって、久しぶりに会ったその子が振られたばかりで落ち込んでいたので、野村くんが話を聞いたそうだ。

その時は話を聞くだけで、終わったのだけど、数日後に連絡があって、まだ立ち直れないから愚痴を聞いて欲しいと言われて、昨日会ったらしい。


「…彼女の愚痴を聞いているうちに流れが怪しい方向になってしまって、彼女とは友だちだからと野村くんは突き放すようにしていたらしいのだけど…」