「関係はないけど、ある」


「は?」


またよく分からないことを言う。


「まあ、いい。そいつが来るまで、ここにいるよ」


何がいいんだかも分からない。聖也が言うことはいつも謎だらけだ。


「別にいてくれなくて結構よ。カウンターに行きなよ」


「お前、何気に失礼なこと言うよな」


どう考えても失礼なのは私よりも聖也の方だと思う。


「その年になっても礼儀を知らないわけ?」


「はあ?何よそれ。失礼なのは聖也でしょ?」


礼儀って、何? 聖也に対する礼儀なんて何もないし、何でここで年齢のことを持ち出すのよ!


「いいから、あっちに行ってよ」


ムカつくことを言う人の顔なんて見たくない。私は追い払うように手を振った。


バン!


「な、何よ!」

私の態度に怒ったのか、聖也がテーブルを叩いたから、思わず身構える。


「今日、うちに来いよ」


「何でよ?行かない」


「莉乃に拒否権はない。絶対に来いよ」