毒舌に惑わされて

「わー、楽しそう!行こう」


列が出来ていたので、最後尾に並ぶ。


「安藤さん、絶叫系に強いですね」


「うん。叫ぶとストレス解消になるしねー」


「そうそう、やっぱりストレス溜まりますよね」


「明日からまた一週間、仕事だと思うと憂鬱なんだけどねー。…あっ、と…すいません!」


列が進んだから、動いたら、すぐに止まった。気付くのが遅れて、前の男性にぶつかってしまった。


「いえ…。あっ…」


「あっ!聖也…」


私たちの前に並んでいたのは聖也だった。


「ねえ、聖也くーん、知り合い?」


髪の毛がふわふわしたかわいい女の子が聖也の腕を掴んでいた。


「あれ? 前にバーで会った…人ですよね?」


野村くんも聖也を覚えていたようだ。


「ねえ、聖也くん。だあれ?」


甘い声を出す女の子が聖也にすり寄って、もう一度聞く。


「姉貴の友だちだよ。どうも。今日はデートですか?」


珍しく敬語を使う聖也はやっぱり不機嫌そうだ。


「ええ。聖也くんもデートなの?」