毒舌に惑わされて

買い物を依頼したのは葉月らしい。本当に葉月の言うことはよく聞くのね。

葉月に逆らえないというか。


「シスコン…」


「ん? 何だって?」


心の中で思ったことをつい声に出して呟いてしまって、口を押えるが間に合わなかった。


「な、何でもないよ」


「俺はシスコンじゃない。ただ優しいだけだ」


「優しかったっけ?」


コツンと軽くだけど、頭にげんこつが飛んできた。

「イタッ!」


私たちは近くのスーパーまで歩いている。ちょっと歩くには距離があるけど、聖也もビールを飲んでいたので、仕方がない。

スーパーが見えて来て、あと50Mくらいの距離なったとき、聖也が立ち止まる。


「行かないの?」


「ほんと莉乃って、ムカつくよな」


「どういうこと?」


「文句あったら、ちゃんと言えよ。そんなのだと損するだろ? 俺より長く生きてきているくせに何でそうなんだ?」


確かに聖也より長く生きている。聖也より年取っているのは分かっている。