「優…どう思う?」
「以外過ぎる」
「俺も。」
まさか新だとは思わなかったな…
まぁ皇雅といい勝負出来そうだし、いっか。
「新。俺達も大会に出るんだけど…いい勝負しような!」
「臨むところ!」
あたしはおいてけぼりですか。
まぁいいけど。
頑張ってね皇雅。
ついでに新。
そーだ。
サーフボードどこにあるんだろう…
「皇雅!」
「…何だ?」
びっくり。
さっさと行ったかと思ってた。
「あたしのサーフボード知らない?」
「俺が持ってるけど?」
みると皇雅はあたしのサーフボードを左腕に持って、自分のボードを右腕に持っていた。
あらら…
「重かったでしょ?ごめんね、ありがと」
「いや重くねーよ。おう、頑張れよ」
「うん!」
「あ、優も俺達と競争すっか?」
いいのかな…ま、でも女よりかは相手になるかも。
「うん!行く!」
「おいで」
「…はい」
あたしは皇雅に手を捕られ、腰を抱かれる。
もう。
人前で密着するの好き過ぎなのよ。
でも…もう少し付き合ってあげる。
さよならが…悲しいかもしれないけど…
皇雅が好き。
でもね…もう貴方と一緒にいれない。
あたしは売られた。
莱子おばさんに。
元はといえばあたしの戸籍はおばさんの元にあった。
あたしのこの顔があったから、おばさんは売れるとわかっていたんだろう。
あたしは金持ちのじじいのとこに売られたらしい。
その事を伝える手紙が臨海学校に行く前に届いた。
ここに居れる期間はあと1ヶ月。
今は6月。
夏休みになったら迎えが来る。
ほんとにさよならだよ…皇雅。
迎えになんか来ないってわかってる。
もし来たとしても突き返す。
炎龍のみんなが好き。
皇雅が好き。
離れたくなんかない。
でも離れなきゃ。
いつかは売られるんだろうなって思ってたけど…
こんなに早く売られるなんてね。

