くつくつと笑う僚は、何か知ってるんじゃないか。
そう、思った。
俺や斗己のことを知らされたように。
養父のことも何か、聞かされてるんじゃないかな。って。
少し、人と距離をとるわけとか。
時々寂しそうに海を眺めている理由とか。
でも、それを聞いて俺は何も出来ないし。
そもそも、なんで知りたいのかさえ分からない。
「ここはやっぱりカモミールかな。」
「まだ夜じゃねぇっての」
「よく知ってるね。」
「あー、母さんが好きだからさ」
その香りから、カモミールティーがグッドナイトティーと呼ばれて眠る前に飲むのが好まれていると。
母さんがよく飲んでいただけだ。
ぼそり、と答えると僚は憎らしく笑って。
少し安心した、と言って歩き出した。
