「お前には関係ない」

「関係ない、けど…」

「けど何?」


そう言う卓人さんの目は冷たく、一瞬で体が凍り付く。


「ーー…っ…」

「お前さ、人のことに首突っ込む前に自分のこと考えろよ」


自分のこと…

そうだ、卓人さんには泣いてるとこ二回も見られてるんだ。


蒼君にちゃんと謝りたい。

早くいつもの蒼君に戻ってほしい…

だけど、この避けられてる状況でどうすればいいんだろう…


「蒼はああ見えて弱い奴なんだよ」

「え…?」

「女遊びが激しいのも、ふざけた態度もその裏返しだ」


そう言うと、卓人さんはスタッフルームを出て行った。


裏返し?それって…どういうこと?

卓人さんの言葉が頭の中をぐるぐる回って、私は暫くそこから動けなかった。