オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜


気が付くと、俺は商店街で男に絡まれていて。

シャッターに思いっきり身体を打ち付けられた。


『てめぇ!二度とデカイ面出来ねぇようにしてやろうか⁉︎』


頭に血が上ってる男。

どうやら俺がナンパして一度だけ寝た女の彼氏らしいけど。

どの女なのか、さっぱり検討もつかない。

喧嘩は苦手だから、こうなるのを避ける為に寝る女には気を付けてたのに。

最近の俺は誰にでも手をつけて…

そのツケが回ってきたってことか。


『…ふっ……やれるもんなら…やってみろよ…』


ムシャクシャする…

いつもなら上手く切り抜けるけど、今日の俺はヤケになっていた。


『生意気なんだよっ‼︎』


そう声を荒げて、男が腕を振り上げた、その時ーー。


『お巡りさん‼︎こっちです‼︎‼︎早く…早く来て下さい‼︎』


今の声……もしかして…

…俺は耳までおかしくなったのか。

まさか、あんな酷い事を言った俺を助けるなんてあり得ないだろ…


男達は『やべっ、行くぞ』と慌てて逃げて行った。