気が付くと、俺は商店街で男に絡まれていて。
シャッターに思いっきり身体を打ち付けられた。
『てめぇ!二度とデカイ面出来ねぇようにしてやろうか⁉︎』
頭に血が上ってる男。
どうやら俺がナンパして一度だけ寝た女の彼氏らしいけど。
どの女なのか、さっぱり検討もつかない。
喧嘩は苦手だから、こうなるのを避ける為に寝る女には気を付けてたのに。
最近の俺は誰にでも手をつけて…
そのツケが回ってきたってことか。
『…ふっ……やれるもんなら…やってみろよ…』
ムシャクシャする…
いつもなら上手く切り抜けるけど、今日の俺はヤケになっていた。
『生意気なんだよっ‼︎』
そう声を荒げて、男が腕を振り上げた、その時ーー。
『お巡りさん‼︎こっちです‼︎‼︎早く…早く来て下さい‼︎』
今の声……もしかして…
…俺は耳までおかしくなったのか。
まさか、あんな酷い事を言った俺を助けるなんてあり得ないだろ…
男達は『やべっ、行くぞ』と慌てて逃げて行った。

