俺が面倒な純情タイプの女を、自ら選んでる…?
ふと柚姫ちゃんの顔が頭を過った。
こんな時に柚姫ちゃんを思い出すなんて…
これじゃまるで、本気で好きみたいじゃんか…
あり得ない。
そもそも俺、嫌われてんじゃん。
そんな相手を…しかも今まで嫌いだったタイプの女を好きになるなんて…
翌日。
『俺もあんたのこと嫌いだから安心して?からかってもつまんないし。今時、純情って流行らないでしょ』
俺は…俺を真剣に叱る彼女に、とうとう酷い言葉を投げ掛けてしまった。
最低最悪なことを言ったのは俺なのに…
いつも以上に心が痛くて…苦しい……
後悔先に立たず。
あんなこと言うつもりはなかったのに…
自分の気持ちがよくわからなくて、コントロールが効かない。
こんなこと初めてだった。

