『前はさ、綺麗系な美人が好みだって言ってたじゃん。スラッとしてて大人の女性みたいな。でも最近誘う子は、見た目大人しめでのほほんとしてる可愛い系だよね?童顔で、純情タイプ』
は…?何を言ってんだ、こいつは。
俺は今でも面倒臭くない大人の女の方がいい。
純情な女ほど後々面倒なのに、そんな女を俺が好むと思ってるのか?
『ふふ。その顔、自覚がないみたいね。もしかして、好きな女でも出来たのかしら。その女が純情タイプで、手に入らないからって違う女を抱きながら重ねて見てるとか?』
『……』
『そういえば、学校で平井先輩と付き合ってるって噂が少しの間流れたよね。私はあり得ないと思ってたけど……そういうことだったんだ』
『そういうことって何だよ』
『蒼にも落とせない女がいるのね。ま、頑張って。私はこれで帰るわ。それと、もうこうやって会うのは最後にしましょう。好きな女がいる蒼と寝るなんて、つまらないもん』
そう言い残して、女はホテルから出て行った。

