オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜


『覗き趣味?』


敢えて保健室の時と同じ言葉を投げ掛けると、柚姫ちゃんはカァッと顔を赤くした。


『ーー…ちがっ…そんなんじゃない!』


ホント反応が一々面白い。

素直というか、バカ正直というか。

そこが柚姫ちゃんのいい所。

可愛い子ほどからかいたくなる、男の性。


『くす。じゃあさ、これから俺とサボらない?さっきのより、いいことしようよ』


冗談半分でそう言うと、彼女は俯き何も答えない。

何だよ、反応なしかよ…

もっと真っ赤になった君を見たいのに。

焦れた俺が腕を掴もうとした、その時ーー。


『離して!』


力一杯に俺の腕を払い除け、柚姫ちゃんは俺から距離を取った。

目に一杯涙を溜めて、俺を軽蔑と怒りを含んだ瞳でキッと睨み付けて…


『ーー…私っ…あなたみたいな人…大嫌い』


そう言って、柚姫ちゃんは走り去った。