『覗き趣味?』
敢えて保健室の時と同じ言葉を投げ掛けると、柚姫ちゃんはカァッと顔を赤くした。
『ーー…ちがっ…そんなんじゃない!』
ホント反応が一々面白い。
素直というか、バカ正直というか。
そこが柚姫ちゃんのいい所。
可愛い子ほどからかいたくなる、男の性。
『くす。じゃあさ、これから俺とサボらない?さっきのより、いいことしようよ』
冗談半分でそう言うと、彼女は俯き何も答えない。
何だよ、反応なしかよ…
もっと真っ赤になった君を見たいのに。
焦れた俺が腕を掴もうとした、その時ーー。
『離して!』
力一杯に俺の腕を払い除け、柚姫ちゃんは俺から距離を取った。
目に一杯涙を溜めて、俺を軽蔑と怒りを含んだ瞳でキッと睨み付けて…
『ーー…私っ…あなたみたいな人…大嫌い』
そう言って、柚姫ちゃんは走り去った。

