教室に戻ると咲緒が駆けつける。

これもまた馬鹿である。

授業はとっくにはじまっているのに、なんの気なしに私に近づいてくる。

「雪宇、どうだった?」

「別に?いつも通りだけど」

この咲緒も私と同じく体罰男の標的である。でも、咲緒は反抗をする。まあ、この性格からして黙ってなんていられないのであろう。

「おい、座れ」

「は?」

またいつものように咲緒が教師に反抗をする。

私は黙って立っている。

咲緒は…

「うるせんだよ、じじい、てめえの授業なんかうけてたまるかよ」

なんてほざく…

馬鹿だなっておもう。

やはり教師もまけてはいられんと声を張り上げる。

「なんだお前は!誰にそんなこと教えられたんだ、おい!親の顔が見てみたい!」

私はその言葉が大嫌いだ。

珍しく先生に一言言ってから帰ろうとした。

「あーあ、先生、それをいっちゃまずいだろ、あほかよ。くだらねえ、帰るわ。」

「いいのか?お前には帰る場所なんてねえだろうよ!勝手に帰りやがれ」