病室へ運ばれたが雪宇の呼吸は乱れている。
父さんは大切なオペで行ってしまった。

でも、そのかわり、佐々木さんが着いてくれている。

雪宇は何度も何度も吐いた。

涙を浮かべながらも一生懸命息をしている。

その時だった…

廊下でガラスが割れた音がした。

一人の子供が佐々木さんに助けを求めに来た。

佐々木さんは雪宇や俺のこともあるので行けそうにないとその子に伝えると、その子は、
「お母さんが…じゃなくて…赤ちゃんが…ううん、お母さんと赤ちゃんが死んじゃう」と言った。

「佐々木さん!行って下さい。俺、ここに着いてますんで!」

そういうと、佐々木さんはすぐに病室を出た。

俺は雪宇の背中をさすった。

すると雪宇の呼吸は落ちて来た。

「ゲホ…空生…?」

「ん?どうした?」

「ありが…ゴホ…と…う…ぅぅ」

「あんま無理して話すなって…な?大丈夫だから!」

「…はぃ…ゴホ…」

雪宇がだんだん落ち着いてきていて安心した。