俺は、雪宇の苦しそうな声で目覚めた。

雪宇はさっきに増して苦しそうだった。

「空生!!」

父さんが呼んだ、久しぶりにこんなに必死な父さんを見た。
それだけ今雪宇は大変なんだとわかった。

「空生、佐々木さん呼んできて!!」

佐々木さんとは、俺が入院生活でお世話になった看護士さんだ。

「わかった!佐々木さんで良いんだな?!」

「ぁあ、頼む空生!!」

「おう!」

俺は階段を猛スピードで降りた。

俺は入院しているときから思っていた…

佐々木さんは何かもっている…

だって、階段を降りた時、ちょうど笑顔でナースステーションに向かう佐々木さんが居たんだから…

「佐々木さん!!!」

「あ!空生くん…どうしたの!」

佐々木さんは俺の真剣な眼差しをみてすぐ何かあったと確信したようだった。

でも、俺はパニックで状況をうまく説明できなくなっていた。

でも、佐々木さんは

「とりあいず吸入器を屋上へ持って行くから!
空生くん、悪いけどナースステーションに行ってこの事を伝えてちょうだい!
大丈夫!必ず助けるから!」

なんて…男より男らしいとおもった…

そして俺はさっきとは見違えるほど冷静になっていた。