間違いない…
あの、背中は…

「雪宇!!雪宇!!!」

よく見ると雪宇は咳こんで目に涙を浮かべていた。

父さんが
「空生…ちょっとよけろ」

俺はすぐによけた。

「雪宇ちゃん、痛いところはあるかい?」

「…ヒック…ゲホ…ん…ゲホゲホ…ぅ…ぅぅ…」

本当に苦しそうで父さんの質問に答えられない様子だった。

「雪宇ちゃん、ゆっくり息を吸うんだ、そしてゆっくり吐く」

でも、雪宇は、

「…ゲホゲホ…ゼー…はっ…ゲホゲホ…おえ…ぅ…はーはーはーゲホ…」

指示通りしたくてもできないという様子だ。

俺は、昔を思い出していた。