雪宇side~

「…ぅ…ゅぅ…ゅう……ゆう!!」

誰かの声で目が覚めた。

その誰かが誰なのか理解するまでに、時間はいらなかった。

横を向く間もなく、視界に入ってきたからだ。

視界に入ってきたのは陽おばちゃんだった。

「雪宇!!あんた大丈夫なのかい?」

その質問に答えようとしたが、慌ただしく部屋のドアが開いた。

「雪宇!!」

空生だった…

「空生…」

「…よかった、意識ちゃんとあるな…」

「あ、うん…あの、私…」

私どうして病院にいるの?と聞こうとしたら陽おばちゃんがハキハキと、でもオロオロと話始めた。

「あんた、桜山公園の前で急に倒れたのよ?その時に空生くんがあんたを担いで家まで来て、救急車で運ばれたの!覚えてないの?」

全然覚えてなかった。

覚えてない…と答えようとしたとき…

「しょうがないですよ。気を失ってたんですから…」

白衣を着た、絵本に出てきそうな、いかにも医者ですって感じの優しそうな人がはいってきた。

私が何も分からないまま話は進められる