「俺は、深山空生。深い山でみやまって読むんだ、あ、あと、空に生きるであお。良ければ空生ってよんで!」

よければって…

思わずわらってしまった。

「本気でわらえるんじゃん」

「え?」

「や、なんでもない。俺の話続けても良い?」

「あ、どうぞ」

「俺ね、小6ん時に喘息の発作で学校で倒れたことあったんだ。
それで、そのまま入院した。
入院してからも色々合併症を起こして結局ずっと入院生活してたんだ。
そして、今日久々の登校ってわけ。
でも、学校行くのやめようかなあ」

「どうして…です?」

なんか、変な日本語になった。

「いいよ、敬語使わなくて…てか、敬語になってないし(笑)」

「ご、ごめんなさい。」

「あ、また!ま、いーや(笑)
だってさ、雪宇が学校に行かないって事は、どうせ大したことねんだろ?」

なんだ、わかってんじゃん

私が何を言わなくても、空生は自分のことを沢山話した。

チューリップのことや、家族のこと、本当に沢山…

気づけば、もう、太陽が沈みかかっていた。

陽おばちゃんに怒られると確信した私は空生に別れを告ぐ。

「もう、暗いし、帰るね」

「うん、そうだね」

「じゃあ…」

私が歩き出すと後ろから

「なぁ、明日、俺学校行くからさ、お前も行けよ」

「行くよ」

「そか!がんばれよ」

なんで上からよ…

それでも笑ってしまう自分が居た。

いつの間にか、空生の勢いに呑まれていた。

久しぶりに素で笑った。

…楽しかった…