...チューリップの家だ。
あれ?!さっきの人じゃん...
私はまた軽く会釈する
でも、相手はぽかーんとしている
するとその子は私に近づいて、
「朝の人だよね」と聞く。
「そうですけど...」
なんでそんなこと聞くんだろう...
「やっぱりか!化粧しててわかんなかったよ」と八重歯を出して笑った。
そうか、私化粧とってくるの忘れてたんだ...
はやくとらなきゃ...
陽おばちゃんにこんな姿は見せられない
私がオロオロしていると、
「はい」と洗顔フォームを渡して来た
「化粧とったほうがいいよ」と、さっきの笑顔はどこへ行ったのかと思うほどの無表情で言ってきた。
怖いけど、確かにここから青りんご荘まで化粧を落とせるようなところは無かったので落とさせてもらうことにした。
「はい、タオル...あげるよ」
「あ、ありがとうございます。でも...」
「いいから、別に...」
冷たいな...やっぱ化粧なんかしてる中学生はそんなもんか
いつもの癖で元気を装う
「じゃあ、ありがとうございました!さよなら!」
「...」
私はまた、青りんご荘へ向かって歩きだす

