そして…俺は見てしまった…。

瑠美のブレザーのポケットから見える手紙を…

確実にラブレターだと思った。

俺は無言で瑠美に近づいた。

「琉輝也君?」

上目遣いで俺を見る汚れを知らないその瞳

「ラブレター?」

俺はブレザーのポケットからラブレターを抜いて瑠美にそう言いながら見せた。

「うん!そうだよ!」

嬉しそうに言う瑠美にイライラしてきた俺は瑠美を壁に押し付けた。

「きゃっ!琉輝也君どうしたの!?」

「男に告白されて嬉しいのか?」

声を低くして言うと瑠美は涙目になり俺を見上げる。

「だって…好きになってもらえるなんて早々ないから嬉しくて…。」

「俺だけじゃ足りないって言いたいのか?」

自分で言っていて虚しくなった。

「ち、違う!」

「何が違うんだよ!?」

「瑠美が好きなのは琉輝也君だけだもん!カッコいいって思うのもこれからだってずっと好きなのは琉輝也君だけだもん!」

これでもかってくらい真っ赤な顔で言う瑠美はキスしたくなるくらい可愛い。

「瑠美…じゃーその告白断ったのかよ?」

「うん!今日断ったよ!『大好きな彼氏がいるからごめんなさい』て!!」

誤解を解こうと必死な瑠美は恥ずかしいことも忘れ言いたい放題…。

「はぁー…」

俺はため息と共にしゃがみ込んだ。